nest design

ブログ Blog

高野川の家(改築) | 2011年10月13日

住宅 耐震改修

解体をしてから一週間以内に耐震改修案をまとめて、建築主にプレゼンをしています。リフォームの場合、タイトなスケジュールが多いので、このように早急に改修案が求められます。構造をはじめ、地盤、設備、蟻害、腐朽などチェック項目は多岐に亘ります。

耐震診断の一般診断法(国交省監修)の結果を踏まえて、解体で見えてきた構造体や基礎等を合わせ、精査していきます。
『高野川の家』の場合、新耐震(昭和56年)以降の建物でしたが、耐震診断の結果は3階は基準値以上あったものの、2階と1階に関しては基準値の5~3割という想像以上に耐震性が低く「(中・大地震で)倒壊する可能性が高い」建物でした。

ここでの設計では基準値である「(中・大地震で)一応倒壊しない」を目標に設計を進めました。つまり「建物はダメージを受けるが人命は守れる」という建築物の一番重要な項目の設計になります。
出来た改修案を元に、施工者に早急に見積もりをしてもらい、建築主に改修案の報告を行います。
今回は基礎が健全で、蟻害もありませんでした。リフォームと共に行う耐震改修工事でしたので、総予算に対しておよそ5%で納まりそうです。(一般的には10%前後)

耐震診断(一般診断法)の項目以外にも、構造体の直下率(上下階の柱や構造壁の一致)や、構造ブロック(架構の構造単位)などで耐震性が大きく左右されます。ただたんに構造壁があれば良いというものでもないのです。

構造躯体診断

構造躯体診断

耐震改修補強図

耐震改修補強図

耐震診断は市町村に連絡すれば行ってくれるのですが、新耐震以降の建物は対象外となっています。どんな建物であれリフォームするときには、耐震性もチェックしましょう。

姉小路の家(改築) | 2011年10月8日

マンションリフォーム オープンハウスのお知らせ

11月5日午後1時~午後8時まで『姉小路のすまい 』の内覧会(オープンハウス)を開催致します。
マンションリノベーションに関して興味のある方は、お問い合わせフォームにてお申し込みください。折り返し詳細をご連絡させていただきます。

オープンハウスのご案内

高野川の家(改築) | 2011年10月5日

3階建て住宅改装 耐震改修

『高野川の家』の解体工事がはじまり、構造体(梁や筋交い)が見えてきました。この前まで普通に住んでおられたので、壁や天井を破ることはしていませんでした。確認申請図面なども残っていないので、詳しい耐震状況は分りませんでした。
(昭和56年で耐震基準が変わっているため、それ以前の木造建築物は現在の基準を満たしていないので問題が多くなります。それ以降、つまり新耐震基準以降は、平成12年に構造仕様規定が導入され、金物などの設置の義務付けがされて現状の基準となっています。)
現場は思っていたより梁(横架材)が細く、筋交い金物も付いていませんでした。基礎はしっかりしているようです。これで耐震改修設計が出来ます。
建物の状況により耐震改修は個体差が大きいので、個別に判断することとなります。
耐震改修費はリフォーム工事費の5~15%程度が一つの目安となります。
戸建てのリフォーム工事をするときは、耐震性をチェックして耐震改修を行いましょう。構造体が現れるリフォーム工事は耐震改修に都合が良く、耐震工事のみで行う場合と比較すると非常に経済効率が良いのです。

天井解体状況

天井解体状況

壁体解体状況

壁体解体状況

お知らせ | 2011年10月3日

TEL&FAX

事務所の電話番号およびFAX番号が変りましたのでお知らせ致します。

新電話番号:075-493-8020(旧番号493-8017)
新FAX番号:075-493-8021(旧番号493-8017)

ご登録頂いている場合はお手数ですが、変更頂きますようお願い致します。

環境・設備 | 2011年9月27日

この冬の節電対策

冬期は、夏期よりも「電力需要」という比較では少ないです。
これは冬期の暖房方法(11月~3月)が電気だけでなく、灯油・ガス・ソーラーハウスなどの選択肢があるためです。
(暖房に必要なエネルギー消費量は夏期の冷房より高い)
節電、省エネルギーという意味でも、この冬の節電対策および節電意識を高めていきたいものです。

建築学的には建築設計の際、体感温度に作用する要素として
1.温度 2.湿度 3.風 4.放射 5.服装 6.作業状況 を重視します。

これを住宅性能、および家庭生活に置き換えると以下のようになります。

  1. 断熱性に優れた性能を建築に持たせる。
  2. 湿度は加湿器で加湿したり、室内植物を置くなどして湿度を上げる。湿度を15%上昇させると温度を1℃下げた体感温度とほぼ等しくなる。
  3. すきま風を防ぐ。室内の空気は扇風機などで循環させてやると暖房効率は上がる。
  4. 床・壁・天井や、窓ガラスの断熱性能を上げる。
  5. 薄着をせず、負担にならない程度に厚着をする。最もやりやすく効果的な方法。
  6. じっとせずに動くようにする。

1.と4.に関しては建築的なアプローチが必要ですが、節電意識があればずいぶんと効果が出ると思います。

【部屋別の設定温度】
・リビングやダイニング…適切な室内設定温度は20℃(政府推奨温度)
・子供部屋、事務所など…室温が10℃以下になると学習・労働意欲に影響。18~20℃が望ましい。あまり温度が高いと眠たくなる。
・寝室…気持ちよく眠れる室温は16~19℃ですが、室温が3℃までなら布団や毛布をかぶって眠れば問題ないという研究報告もある。
ただし、温度が低すぎると睡眠の質が悪くなるので注意が必要。

夏の節電対策を終えて必要だと感じたことは「エネルギーを消費している意識を持つ」ことです。
冬期に入る前に節電、省エネルギーの意識を持つことが重要です。

環境・設備 | 2011年9月25日

この夏の節電対策の結果

節電の夏が終わりました。この夏は関西電力管内でも15%の節電要請がありました。(7/25~9/22)
わが家(事務所併用住宅)で、使用電力(7月,8月平均電力使用量)を比較すると…
例年使用量 730kw/月 → 今年使用量 480kw/月 となりました。
節電対策の効果で、今までの約65%の電力で生活をすることができました。
なんと35%の電力を減らすことができました。

主な節電対策を取りまとめてみると…

  1. エアコンの設定温度は28℃とし、猛暑日だけの使用を心掛けた。夜は窓を開けて寝た。熱帯夜でエアコンが必要な日は、同じ部屋で寝た。
  2. 扇風機を例年以上に活用した。エアコンとの併用を行った。
  3. 子供室のエアコンを廃止して扇風機を新調した。建築的には天窓を設け、自然換気+換気扇をメインとした。
  4. 天気の良い日は水まきをし、ゴーヤで緑のカーテンをして、外からの日射・日照対策を行った。
  5. 窓ガラスをシングルガラスからぺガラス(Low-E)へ交換し、カーテンも断熱スクリーンとし熱負荷を減らした。
  6. 家庭生活だけでなく、事務所でもクールビズを実行した。服装を軽装とするなど、できるだけ電力負担を減らした。
  7. 冷蔵庫を省エネタイプに買い替えた。(以前のものは15年も前の冷蔵庫で消費電力だけでなく発熱量も多かった)
  8. 白熱灯はあまり点灯せず、蛍光灯メインで過ごした。
  9. テレビはブラウン管から液晶へ買い替えた。
  10. 子供にも節電意識を持つように指導した。首を冷やすネッククーラーをするなど、それぞれが出来る範囲の節電を行った。

住宅での生活ステージでは無駄を省くことによって、1/3程度は電力を抑えることができるのだと、実感ができました。
それほど生活を圧迫するような無理はありませんでしたが、省エネ品への買い替えでイニシャルコストがかかってしまいました。
(買い替えによって廃用物が出てしまいCO2が増え環境負荷が増える問題が残ります)

民生部門(住宅や事務所)に関しては建築的配慮+生活意識で、1/3程度は電力を抑えることができると思います。エネルギー問題で置き換えて言うと…原発での電気発電量は約30%です。運輸部門、部門でも電力を30%抑えられるならば、原発を無くすことが事実上可能ということになります。(経済産業省 自然エネルギー庁 日本のエネルギー参照)
様々な環境問題を一気に解決することは出来ませんが、何万年も残る環境負荷を後世に残すことは阻止せねばなりません。

 

夏の節電 参考ブログ

窓の断熱~エアコンの使用を控える
夏を涼しく過ごす方
扇風機の位置
日本人の生活の知恵 水まき(打ち水)

建築意匠 | 2011年9月21日

建具の話 ~室内建具編

当事務所で設計する場合の建具は、全てが一品生産品です。 自然素材などで製作した一品生産品は、作るための設計図が必要で、職人さんが手仕事で仕上げます。 天然素材を使った建具の場合、どうしても多少の反りや動きは出てきます。
住宅建築市場の九割以上を占めているメーカーの既製品は、工期が早く、狂いが少ないのが特徴です。しかし建築やインテリアに合わせた寸法にしようと思うと、特注生産で高価なものとなってしまいます。ですから既製建具を使う場合にはカタログに載っている寸法で住宅設計をすることになってしまうのです。
本来の住居空間は思い描いた理想型に、建具(寸法や形式)を設計していくべきです。 既製品の建具が住宅の決定要素になってしまっては、良い建築やインテリアにはならないのです。

建具と空間

建具と空間

相応しい建具の形

相応しい建具の形

お知らせ | 2011年9月15日

建築に期待するもの 建築に必要な要素とは

Twitterで9月9日より「太陽熱とエネルギー」を切り口に、建築に期待するもの、建築に必要な要素とはなにかを検証するつぶやきをしています。 興味のある方はこちらの方も合わせてご覧ください。フォロワーも大歓迎です^^

Twitter 杉本考次

 

事務所概要 Atelier

一級建築士事務所 ネストデザイン
杉本 考次
京都市北区紫竹西南町63-7
TEL:075-493-8020
FAX:075-493-8021
E-mail:info@nest-design.net

カテゴリー

月別アーカイブ