築40年の大規模改修
新給食室とホールの誕生
耐震改修を行う場合、ただ単に耐震性を上げるというのではなく、使いやすく生活環境が向上するものにしなければ意味がありません。それは住宅でも、保育園でも同じことが言えます。耐震補強計画と合わせて、保育士・給食の先生たちの意見、保護者の意見を、ワークショップなどで取り入れながら設計をまとめていきました。
以前、ホール(遊戯室)の南側は、倉庫・廊下・給食室で、南側からの採光がありませんでした。給食室は機器や配管類も老朽化し、普段の使用にも限界がきているようでした。ホールの東側を新給食室とし、南側を小ホール(多目的室)としました。一体性を創出しながら、南側の採光も取り入れ明るく活動的な空間へと変貌することができました。天井や腰板は、京都府産の桧や杉を使用し、床は広葉樹の樺(カバ)を使用しています。自然素材を多用することで園児の健康にも気遣いをしています。
創立50年の記念事業として行われたこの工事は、アスベスト除去、耐震性の確保、防火区画の再形成、消火設備の見直しなど、ハードな面の検討も確実に行っています。
定員120名のこの保育園は、広い施設なので数年に一度、改装工事が必要です。いままで以上に子供達が笑顔で溢れるような保育園になっていけるように、陰ながら応援して維持修繕活動を続けています。
建築概要
用途 | 保育所 |
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所在地 | 京都市左京区 |
規模 | 改修等床面積400.38㎡(121.1坪) |
竣工 | 2016年3月 |
施工 | 藤木工務店 京都支店 |