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2011年9月

この冬の節電対策

冬期は、夏期よりも「電力需要」という比較では少ないです。
これは冬期の暖房方法(11月~3月)が電気だけでなく、灯油・ガス・ソーラーハウスなどの選択肢があるためです。
(暖房に必要なエネルギー消費量は夏期の冷房より高い)
節電、省エネルギーという意味でも、この冬の節電対策および節電意識を高めていきたいものです。

建築学的には建築設計の際、体感温度に作用する要素として
①温度 ②湿度 ③風 ④放射 ⑤服装 ⑥作業状況 を重視します。

これを住宅性能、および家庭生活に置き換えると以下のようになります。
①断熱性に優れた性能を建築に持たせる。
②湿度は加湿器で加湿したり、室内植物を置くなどして湿度を上げる。湿度を15%上昇させると温度を1℃下げた体感温度とほぼ等しくなる。
③すきま風を防ぐ。室内の空気は扇風機などで循環させてやると暖房効率は上がる。
④床・壁・天井や、窓ガラスの断熱性能を上げる。
⑤薄着をせず、負担にならない程度に厚着をする。最もやりやすく効果的な方法。
⑥じっとせずに動くようにする。

①と④に関しては建築的なアプローチが必要ですが、節電意識があればずいぶんと効果が出ると思います。

【部屋別の設定温度】
・リビングやダイニング…適切な室内設定温度は20℃(政府推奨温度)
・子供部屋、事務所など…室温が10℃以下になると学習・労働意欲に影響。18~20℃が望ましい。あまり温度が高いと眠たくなる。
・寝室…気持ちよく眠れる室温は16~19℃ですが、室温が3℃までなら布団や毛布をかぶって眠れば問題ないという研究報告もある。
ただし、温度が低すぎると睡眠の質が悪くなるので注意が必要。

夏の節電対策を終えて必要だと感じたことは「エネルギーを消費している意識を持つ」ことです。
冬期に入る前に節電、省エネルギーの意識を持つことが重要です。

この夏の節電対策の結果

節電の夏が終わりました。この夏は関西電力管内でも15%の節電要請がありました。(7/25~9/22)
わが家(事務所併用住宅)で、使用電力(7月,8月平均電力使用量)を比較すると…
例年使用量 730kw/月 → 今年使用量 480kw/月 となりました。
節電対策の効果で、今までの約65%の電力で生活をすることができました。
なんと35%の電力を減らすことができました。

主な節電対策を取りまとめてみると…

①エアコンの設定温度は28℃とし、猛暑日だけの使用を心掛けた。夜は窓を開けて寝た。熱帯夜でエアコンが必要な日は、同じ部屋で寝た。
扇風機を例年以上に活用した。エアコンとの併用を行った。
子供室のエアコンを廃止して扇風機を新調した。建築的には天窓を設け、自然換気+換気扇をメインとした。
④天気の良い日は水まきをし、ゴーヤで緑のカーテンをして、外からの日射・日照対策を行った。
⑤窓ガラスをシングルガラスからぺガラス(Low-E)へ交換し、カーテンも断熱スクリーンとし熱負荷を減らした。
⑥家庭生活だけでなく、事務所でもクールビズを実行した。服装を軽装とするなど、できるだけ電力負担を減らした。
⑦冷蔵庫を省エネタイプに買い替えた。(以前のものは15年も前の冷蔵庫で消費電力だけでなく発熱量も多かった)
⑧白熱灯はあまり点灯せず、蛍光灯メインで過ごした。
⑨テレビはブラウン管から液晶へ買い替えた。
⑩子供にも節電意識を持つように指導した。首を冷やすネッククーラーをするなど、それぞれが出来る範囲の節電を行った。

住宅での生活ステージでは無駄を省くことによって、1/3程度は電力を抑えることができるのだと、実感ができました。
それほど生活を圧迫するような無理はありませんでしたが、省エネ品への買い替えでイニシャルコストがかかってしまいました。
(買い替えによって廃用物が出てしまいCO2が増え環境負荷が増える問題が残ります)

民生部門(住宅や事務所)に関しては建築的配慮+生活意識で、1/3程度は電力を抑えることができると思います。エネルギー問題で置き換えて言うと…原発での電気発電量は約30%です。運輸部門、部門でも電力を30%抑えられるならば、原発を無くすことが事実上可能ということになります。(経済産業省 自然エネルギー庁 日本のエネルギー参照)
様々な環境問題を一気に解決することは出来ませんが、何万年も残る環境負荷を後世に残すことは阻止せねばなりません。

 

夏の節電 参考ブログ

窓の断熱~エアコンの使用を控える
夏を涼しく過ごす方
扇風機の位置
日本人の生活の知恵 水まき(打ち水)

建具の話 ~室内建具編

当事務所で設計する場合の建具は、全てが一品生産品です。 自然素材などで製作した一品生産品は、作るための設計図が必要で、職人さんが手仕事で仕上げます。 天然素材を使った建具の場合、どうしても多少の反りや動きは出てきます。
住宅建築市場の九割以上を占めているメーカーの既製品は、工期が早く、狂いが少ないのが特徴です。しかし建築やインテリアに合わせた寸法にしようと思うと、特注生産で高価なものとなってしまいます。ですから既製建具を使う場合にはカタログに載っている寸法で住宅設計をすることになってしまうのです。
本来の住居空間は思い描いた理想型に、建具(寸法や形式)を設計していくべきです。 既製品の建具が住宅の決定要素になってしまっては、良い建築やインテリアにはならないのです。

建築に期待するもの 建築に必要な要素とは

Twitterで9月9日より「太陽熱とエネルギー」を切り口に、建築に期待するもの、建築に必要な要素とはなにかを検証するつぶやきをしています。 興味のある方はこちらの方も合わせてご覧ください。フォロワーも大歓迎です^^

Twitter 杉本考次

マンションリフォーム 姉小路のすまい【竣工写真】

以前からご紹介していた『姉小路の家』の竣工写真です。
↓こちらも参考に見てもらえれば、分りやすいかと思います。
引渡し左官工事光天井

このすまいでは、リビング、ダイニング、キッチンをコーナー的に捉えています。「どの場所にいても繋がることが出来て、微妙に距離を置くことも出来ること」を念頭にプランニングしています。すまう装置の配慮によって暮らしやすさは変わってきますので、この見極めが設計の中でも一番大切な部分です。

建築やインテリアは竣工したときが新たな生命の始まりです。
それは住まい手の物語の始まりでもあります。

ポジャギとチョガッポ 構成の美学

今日は高麗美術館の「刺繍ポジャギとチョガッポ展~女性たちの糸と針の造形」へ行ってきました。 朝鮮王朝時代の後期、とくに18世紀に盛んになった「ポジャギ」(褓子器)とは、ものを包んだり覆ったりする四角い布で、生活に使用されていました。日本での「風呂敷」や茶道に用いられる「袱紗(ふくさ)」や「布巾」に似ています。
また朝鮮のパッチワークとして知られる「チョガッポ」は様々な布端切れを自由に組み合わせ縫いつなぎ一枚の布としています。余り布を活用して制作しているにもかかわらず、自由な雰囲気に溢れています。様々な色の生地で作られたチョガッポは華やかでその美しさに胸が高鳴ります。モノトーンで作られたチョガッポは、シンプルでエレガントでした。粋の極みというべきもので構成がとても美しく素晴らしかったです。


チョガッポの抽象構成美を見ていると様々な造形と重なります。透かし建具モンドリアンクレーの抽象絵画。李朝白磁ル・コルビジェの建築。ほんとうに創作のヒントをいっぱい得ることが出来ます。

11月6日まで 詳しくは高麗美術館ホームページで

無垢フローリングの張り方

当事務所の工事では、一枚一枚フローリングを見て床材を張るように大工職人へ指導をしています。無垢のフローリングではどうしても色の差、節、入り皮(樹皮が材中に巻き込まれたもの)など様々な表情をしているからです。自然素材の特徴ですね。材料の張り分けは、大工さんのセンスも大きく関わってくるのですが、出来るだけ目立つ場所に良材を張ります。材木断面にはその木の物語が潜んでいて、現場で眺めていても見飽きないものです。

床暖房時は材料選定に苦労します

梱包から出して並べます

今回は床暖房を敷設するため張り方にも慎重で、紙一枚の余裕(材木伸縮対策)をもってフローリング張りをしています。塗装は自然材料(オスモ)を塗っています。 takanoの家の花梨材の現場は良い香りで充満していました。

新国土交通大臣による 新たな住宅政策

新国土交通大臣の前田大臣は民主党住宅政策小委員会などの座長を務めるなど、住宅の政策に詳しい方です。「民主党住宅ビジョン」を取りまとめたほか、「住宅リフォーム大作戦」を提唱されています。

住宅リフォームを「省エネ改修」とすることによって、室内の温度差が小さくなって健康に暮らせます。省エネ改修が「健康リフォーム」につながっていくのです。

リフォーム工事をすることによって、住宅資産を高め、住宅の取り壊しを減らし環境負荷を抑えることができます。そして電気代も減り生活コストも抑えられます。
さらに、改修工事に地元の人材や木材を使えば、地域の経済が潤います。地元の木材を切り出して改修工事が始まるだろう・・・というわけです。
端材はバイオマス発電に利用し、発電した電力は固定価格で買い取っていく・・・これが「住宅リフォーム大作戦」で、全てが一つのシナリオでつながっています。

省エネ改修は、地域経済をどこまで活性化できるでしょうか。
期待したいものです。

事務所概要 Atelier

一級建築士事務所 ネストデザイン
杉本 考次
京都市北区紫竹西南町63-7
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