接道不足による再建築不可の町家

耐震
耐震 | 2023年4月1日
ネストデザインでは令和5年度も耐震診断、計画改修業務を行っていきます。
古い住宅でも、安心で安全な住まいづくりのお手伝いをしております。
京都での地震も活動期に入っていますし、近い将来に「南海トラフ地震」が発生すると京都でも大被害が予想されています。
備えあれば憂いなしということで、是非、我が家の耐震性をご確認ください。
耐震性が不足している場合は、耐震性増強の計画を行い改修工事をご検討ください。
【耐震診断よりの改修設計、工事への流れ】
現在の建物の状態を知るために「耐震診断」を行います。無料で行えます。
↓
耐震性が低い、危険ゾーンと診断された場合は次のステップに進みます。
↓
耐震性を上げるための基本計画をご一緒に検討いたします。概算工事見積もりも提出いたします。
↓
改修工事をされる場合は次のステップに進みます。以降の設計調査は有料となります。
↓
建物の詳細調査(一部破壊検査)を行い耐震性を再確認します。耐震と合わせた間仕切り改修、断熱改修、水回り改修、外壁・屋根改修、設備改修なども合わせた設計となります。工事見積もりをいたします。
↓
ご満足のいく内容になりましたら、工事契約となり着工となります。
↓
古家には思わぬ施工がされていて、追加工事や設計変更を余儀なくされることも珍しくありません。
その時は随時確認を行って進めていきます。
↓
工事が終われば完了検査を行い、お引き渡しとなります。
京都市の耐震改修促進事業として耐震診断が無料(1981年5月迄の木造住宅)となります。
詳しくは → 令和5年度木造住宅及び京町家の耐震診断士派遣事業
※参考資料
【木造住宅】
築50年木造住宅リノベーション(耐震診断編)
築50年木造住宅リノベーション(計画改修編)
【京町家】
京町家の構造再生(耐震診断編)
京町家の構造再生(計画改修編)
以上、不明な点がありましたら何なりとご相談ください。
耐震 | 2023年3月22日
先日、京町家(*1)の増改築に必要となる建築確認申請等の講習に行って来ました。京都市の住宅の9割が準防火地域(*2)にありますが、この地域で増改築の要素があると建築確認申請が必要となって来ます(準防火地域以外でも10㎡を超えると必要)。増改築や大規模修繕(*3)においては既存部分全てが遡及適応(*4)を受けるという非常に厄介な法律になっています。この基準法適応除外制度(建築基準法第3条1項3号規定)の説明会でした。この制度を利用すると古い京町家も現在の建築基準に認められるのです。
大きなところでは以下のようなチェックが必要となります。
・構造…耐震診断と耐震改修基本計画(*5)で構造の安全性を確認します。
・外壁軒裏の防火仕様…京町家独自の防火改修ができます。
・窓、出入口の防火設備…木製建具にすることができます。
・建ぺい率、容積率の超過…減築せずとも活用可能です。
・斜線制限…現状のまま活用可能です。
・避難防災…規定により防耐火性能を緩和します。
以上の規約を守って、京町家の増改築を行うのは大変なことですが、構造や防火の見直しにもなりますので安心して住み続けることができます。
増改築や修繕をされる方は、何なりとご相談ください。
*1: 京町家とは昭和25年以前(建築基準法制定前)の住宅
*2: 市街地における火災の危険を防除するため定める地域として指定されるエリア
*3: 現在の法律(建築基準法など)に適合させる必要ある
*4: 主要構造部の半分以上の修繕
*5: 京町家耐震診断士が行うもの
京都市資料より
耐震 | 2021年4月5日
![]() |
先日、京町家の耐震診断で平家の小屋組をロフトに改装されている例がありました。小屋裏空間は梁や小屋束などが縦横に架かっているので、上手く計画をしないと使いづらいものになってしまします。かと言って重要な構造材を撤去するわけにも行きません。
この平家のロフトは、邪魔な構造材も少なく居心地の良い空間だったようですが、小屋組で一番大切な梁がバッサリと切断されていました。
住まい手の話では震度2程度の地震でもかなり揺れるということでした。耐震診断では構造壁のチェックが主な調査内容なのですが、構造壁量を満たしていたとしても骨格が切り刻まれていては意味がありません。元の梁組みに戻すか、それ相応の補強をする必要があります。
耐震 | 2020年5月19日
京都府は今後10年間で、府内全住宅の耐震化や減災化を進める目標を定めています。100%の住宅が耐震化されると、大地震に対して75-80%も被害を減らせるとの試算を出しています。計画期間は2020年度〜2030年度までで、補助金も継続して出るようです(6月に決定)。
ネストデザインでは耐震診断から耐震補修、補助金申請まで行っておりますので、お気軽にご相談ください。
耐震 | 2020年4月13日
この時期、地震や台風・大雨で、避難が必要になるとどうなるのか?
COVID-19騒ぎで3密(密閉・密集・密接)を避けるように叫ばれる中、避難所生活ではこの3密は避けられないものとなる可能性が極めて高いです。
今後、東・東南・南海地震、日本海溝地震、首都圏直下地震などが起こるとも言われています。また京都に至っては、京都市南部を中心に今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる可能性がある(京都大学防災研究所)と警告しています。
耐震診断を受けられて現在の住まいの点検を行っておく事が、命を守る為にも必須の条件になりつつあります。
地震の震度は7階級ありますが、震度6強で安全に過ごせるような住宅に住まう事が望まれます。耐震診断ではこの震度6強の地震に対する安全性について、現地調査や構造計算を行って検証していきます。
ネストデザインでは京都市派遣の耐震診断事業を行っております。居住者の方の耐震診断費は(京都市より助成金によって) 無料 で行っています。また診断結果を元に、2万円の負担金で改修の参考となる基本計画も出来、工事概算費も作成いたします。※1981年5月31日以前の木造住宅対象です。
詳しくは京都市の「木造住宅及び京町家等耐震改修助成事業」ページをご覧ください。
他にも様々な補助金がありますので、ぜひご活用ください。
【令和2年度】京都市補助金
![]() |
耐震 参考ブログ
耐震 | 2019年7月31日
上京区の京町家の耐震診断に行って来ました。
隣家との境が共通の柱でしたので「長屋」という形式になります。
依頼主だけでなく、隣家の方にも調査させていただきました。
診断建物は平屋建てで織機が二機あった跡がありました。西陣なので40年ほど前まではどこもかしこも機織の音が響いていた地域です。いわば個人の小さな工場ですが、使いやすさのためか中央付近の壁が少なかったです。
よくある事ですが、水回り付近の柱が沈下していました。昔は排水は土管だったので、亀裂などから土に排水が染み込み、近くの柱などは腐ったりシロアリが付いたりしているようでした。
![]() 長屋外観 糸屋格子 | ![]() 内部 織機があった場所 |
耐震 | 2015年1月15日
間もなく阪神淡路大震災から20年を迎えます。あらためて震災で被害に遭われた方に哀悼の意を表します。
当時の建築の被害状況を振り返ると、鉄筋コンクリートや鉄骨構造の建物は、旧耐震(※注1)の建物の被害が大きく、建築業界だけでなく一般にも大きく報じられました。しかし、未だに旧耐震の構造建築物は多く、20年を迎える今も国を挙げて耐震改修工事を行っている状況なのです。私の事務所でも、耐震改修や耐震補強を必要とする仕事は多いです。
また木造建築物も例外ではなく、被害は大きく、構造壁や金物不足、重い屋根の建物などの被害が顕著でした。そしてこの阪神淡路大震災から学び、平成12年に構造金物の法規基準(※注2)が設けられたのです。この基準は、木造の新耐震とも言われています。
日本の家屋の大多数が、この平成12年以前の建物と言われています。
直下型地震が起こっても倒壊せず、自らの命を守ってくれる建築物であるように、我が家の耐震性能を確認しておくのは非常に重要です。是非この20年を機に確かめてください。
自分の命を守るために、そして大切な人を守るために。建築で一番重要なのはこの部分なのです。
(※注1)建築基準法施行令が1980年(昭和55年)に改正され、耐震基準が大きく改められて1981年(昭和56年)6月1日以降に着工した建築物に適用されました。改正以前の旧耐震基準では、震度5強程度の中規模地震に対してほとんど損傷しないことを検証することにとどまっていました。対して新耐震基準では震度6強~7程度の大規模地震に対しても、ある程度の被害は許容するものの、倒壊し人命に危害を及ぼすことのない性能を検証することになったのです。
(※注2)建築基準法が大改正され、構造耐力上主要な継ぎ手・仕口には国土交通大臣により緊結方法が定められました。建築基準法・令・告示1460号に定められています。
参考:建築物の構造関係技術基準解説書 (財)日本建築センターより
一級建築士事務所 ネストデザイン
杉本 考次
京都市北区紫竹西南町63-7
TEL:075-493-8020
FAX:075-493-8021
E-mail:info@nest-design.net